私の祖父の話です。
数年前、出勤しようとした私は、忘れ物をしてしまった事に気付き、車を引き返し、自宅へ戻りました。時間がないのになかなか見つからずに探していましたが、ようやく見つかり、車へ乗ろうとしたのですが、トイレにスリッパがあり、しかし、なかなか誰も出てこず、不思議に思い、開けてみました。
用を足そうとしたのか、足し終わったのか、横たわった父の姿がありました
一瞬血の気が、引き、どうしたらいいかわからなくなってしまいましたが、おどおどしながらも救急車を呼び、到着まで待ちました。
なるべく体勢を変えないようにして、応答があるか問い掛けたり、呼吸があるかないかの確認をし、もし、呼吸がないようなら気道を確保して人工呼吸ができたら良い、とアドバイスをもらい、救急車の到着を待ちました。
しかし、場所がトイレだったもので、ほとんど場所がないような状況で、私も頭の中が真っ白なり、できた事と言えば、問い掛けるくらいだったかもしれません。
職場で、人命救助の講習を受けているにも関わらず、いざという時程何もできなくなってしまうものなのですね。
祖父は、幸い、時間がまだそこまで長く経っていなかてからなのか、軽い症状だったからなのか、かすかに応答があったように記憶しています。それから間もなく救急隊員の人に処置をしてもらい、搬送されました。
検査結果は脳梗塞
もしかしたら熱中症で倒れたのかもしれませんね、と言われましたが、念のため近くの大きな病院で検査入院をする事になり、入院となりました。そして結果は脳梗塞。幸い、症状が軽かったのと、早めに発見できた事もあり、大事に至らずに済みました。その後も、何度か急に軽く意識を失うような感じかありましたが、手術をし、回復に向かいました。
今現在は、別の病気で亡くなってしまいましたが
たまたま私が忘れ物をした事がきっかけで気付けた自分、タイミングの良い自分がいて良かったな、と思いました。
当時は祖母も健在していたため、しばらくは、トラウマのように、姿が見えないと祖父母はどこかに…と考えてしまいがちで、恐怖でしたが、今考えたら、父母だって自分の年齢だって、いつどうなるかわかりませんものね。
忘れ物をしなかったら、そのまま逝ってしまっていたのかな、とか考えると怖いですし、熱中症かもしれない、という救急隊員の言葉を信じて、対処をし、会社へ行ってしまったら祖父はすぐに亡くなったかもしれませんし、そう考えたら恐怖だなー、と感じました。