同居していた祖父の話です。家族みんなで食事をとっていた時に、ボタンと箸を落としました。「どうしたの?」と声をかけるとなんだかボンヤリした、妙な表情なんです。
私の声かけに、答えようとはしているものの、うまく発音できないのか、まるで子供のようなふにゃふにゃした話し方。箸を渡してもつかめない。
これは、おかしい!とすぐに、両親と一緒に祖父を病院に連れて行きました。(今思えば、救急車を呼ぶべきだったと思いますが…)
自宅の階段は手すりをつかみながらも自力で降りることの出来た祖父が病院の駐車場からは、歩くこともできなくなっていました。すぐに病院の方にお願いし、車椅子を借り移動しました。病院までは20分程度の距離でしたが、やはり症状が進んでしまっていたのだと思います。とにかくドキドキして、ひどく焦りました。
検査の後、祖父は脳梗塞と診断されました
そのまま緊急入院、治療を受けることになりました。不安そうな表情の祖父を病院に置いて行く時、胸が痛んだのを覚えています。
幸い、比較的発見が早かったおかげで大きな後遺症が残らないとの診断ではありましたが、リハビリのため回復期リハビリテーション病院に転院することが決まりました
そこでは、リハビリテーションが中心でした。祖父の場合は、お風呂に入るときの段差の乗り越えの練習や、歩行訓練。他にも発音、指の操作性を上げる為の訓練もあったようです。
日に日に回復へ向かう手ごたえからか、祖父も前向きにリハビリに取り組んでいました。素人目に見ると、全く違和感がないほど回復していきましたから。
後で知ったのですが、脳梗塞や脳出血など、脳血管障害と言われる病気では、発症後早期に集中したリハビリを受けることが大事なようです。早期にリハビリを受けることが、その後どの程度回復できるかを左右するとの事でした。(もちろん、脳の損傷部位や程度にもよりますが)
祖父の入院期間は、3ヶ月程度でしたが入院前よりも元気になったと言っても過言ではない位、体力面でアップして自宅へ帰ってきました。リハビリの一環として行われた筋力訓練の成果だと思います。
退院後は、病気を繰り返さないように、服薬を欠かさず水分をしっかりととるように心がけています
そのおかげか、脳梗塞発症から3年が経ちますが今のところ再発はありません。早期のリハビリのおかげか、ほとんど後遺症も残っていないように思います。
普段と違う違和感を感じたら、早めに病院を受診することの必要性を改めて感じています。