現在、世の中の多く出回っている精製された食塩による塩分は控えるほうが良いのですが、ミネラル豊富でミネラルバランスの良い塩は積極的に摂ったほうが良いのです。
塩は漢方医学では「塩は活力の源」と考えられています。
マクロビオティックの世界でも塩はとても重要とされています。
体温を上げる・冷え性の改善
東北地方の人達は古くから塩辛いものを食べており、塩分摂取量が多く、寒い冬に耐えられるように塩分を多く摂取していたと考えられています。
マクロビオテイックや漢方では塩は体を温める陽性食品とされています。
健康体として理想平熱は36.5~37.1度といわれています。60年前の日本人の平均体温はなんと36.89度だったそうです。
しかし、35.5度の平熱の人が37度でだるさや嫌悪感がある場合は、発熱です。
現代人の平均体温は36.2度です。36度以下の低体温の人が多くなっています。
「日本人には塩が足りない」の著者 村上譲顕さんによると、いきすぎた減塩をしている人や相対的に塩不足になっている人は必ず身体が冷えるそうです。
村上さん自身、中学生、高校生のころは手足が氷のように冷えて、冬になると、ズボン下を履いて、さらにその上に、ももひきを履いていたそうです。
塩をしっかり摂るようになり、他の食生活も改善し、50歳になった今では真冬でもズボン下やももひきを履かなくても過ごせるぐらい冷え性がすっかり改善されたそうです。
体温が下がると免疫力が下がることがわかっています。
体温が低いと血流が悪くなることで免疫力が下がるということのようです。
体温が1度下がると免疫力が30%低下し、体温が1度上がると免疫力が5~6倍高くなるそうです。参考:「体温を上げると健康になる」/著者 齋藤真嗣より
低体温だと体調不良を起こしやすく、また様々な病気になりやすくなります。
ガン細胞は35度台でもっとも活発に増殖することがわかっています。
体温を上げることで、新陳代謝が活発になり、アンチエイジングにもつながります。
寝起きが良くなる・低血圧改善
低血圧の人はなかなか朝起きられなかったり、朝だるくてやる気が起こらなかったりと本当に辛いようです。
朝に血圧が上がり、血液を十分に循環させ活動する気力を起こすのが本来の人体の仕組みです。
塩をしっかり摂るようになると血圧が正常の範囲で上がり、血液が循環され活力が出ます。
貧血の改善
「日本人には塩が足りない」の著者 村上さんによると、ご自身、貧血で悩ませ続けられたそうですが、マクロビオティックの勉強会で「果物や甘いものをそんなにとりつづければ塩不足になって血液が薄くなるのも当然だ」と言われたそうです。
果物はカリウムが非常に多く、食べ過ぎるとナトリウムが相対的に不足してしまいます。
心の状態の安定
「日本人には塩が足りない」の著者 村上さんが高校のときに心理的におかしくなったそうですが、塩不足が原因といわれたそうです。
塩が不足することによって体のミネラルバランスが乱れ、自律神経が不安定になり、心の状態も不安定になるそうです。
その結果、神経が過敏になり、ささいなことも気にするようになったり、ストレスに非常に弱くなっていたということです。
無理な減塩を続けていると起こる症状
気力が衰える、だるい、やる気が出ない、立ちくらみがする、めまいがする、吐き気がする、手足がしびれる、冷え性、下痢、便秘、肌荒れ、骨が弱くなるなど。
さらに積もり積もると症状が重くなって現れるそうです。
塩以外からミネラルを摂れば天然塩じゃなくてもいいのか?
ミネラル豊富な他の食材を摂ったりすれば良いのでは?と思いますよね。
しかしマクロビオティックでは、その食材の全体を摂取することを重要視します。
ですので、天然塩は海をそのまま凝縮したような「海そのもの」のミネラルバランスで摂取できるということです。
それと、野菜や果物に含まれているミネラルが昔に比べて大幅に減少してしまっているそうです。
化学肥料などの影響で土壌に豊富に含まれていたミネラルが減少してしまったため、そこで育った野菜や果物のミネラルも減少してしまったということです。
積極的にミネラル豊富な塩を摂りたい理由はここにもあるわけです。
血液サラサラ・ドロドロの血液を改善
血液のドロドロを改善するには適度な運動、食生活も重要ですが、塩もそのはたらきをします。
血中のミネラルバランスを整えることも大事なのです。
ナトリウムが血圧を上げるはたらきがありますが、人体にとって不可欠なミネラルです。
問題はナトリウムだけの過剰摂取が問題です。他のミネラルもバランス良くとることにより血液中のミネラルバランスが整えられるのです。
血中のミネラルバランスが整えば新陳代謝が促進され、血流はよくなります。
塩の摂り方
どのぐらい塩を摂れば良いのか
運動量や代謝など個人差があり、小食の人もいれば大食いの人もいますし、どのくらいかが適量かは人それぞれです。
それとその人の摂る水分量も考慮しなければなりません。水分量が多ければ体内の塩分はその分薄まります。
「おいしい」と感じる塩分の範囲でしっかりと塩をとるという感覚です。
塩不足ではないかと思われる方は、「おいしい」に̟プラスして、「濃いめだけどおいしい」と感じる範囲でしっかりと塩をとってみることをおすすめします。
それと、塩を摂りすぎると喉が渇き、水分が欲しくなり、体内の塩分濃度を一定に保とうとします。
喉が非常にかわくようなら塩分の摂りすぎです。
ただし、精製した食塩は、身体のセンサーがうまく働かず、塩分を摂りすぎても分からないのです。
加工食品ではさらに白砂糖や化学調味料を使う事が多く、さらにセンサーが麻痺して食べ過ぎてしまいますし、中毒のようにどんどん食べたくなることもあります。
外食が多く、外食まで塩分を気にしてられない場合
外食が多い場合は工場の塩を使っていることが多いのですが、外食まで気を使っていられないという方もいらっしゃると思います。
また出来合いの弁当や総菜を買うことが多い方もいます。
そんな方の対処法は、
- 良い水をたっぷり摂る
- 果物の摂取量を増やすこと
- にがり液の活用
1.良い水をたっぷり摂る
水をたっぷり摂って塩分濃度が高くなってしまった血液を薄めることになります。
水分補給しないと細胞内の水を使って濃度を薄めることになり、体の水分不足から細胞内外のミネラルバランスがどんどん崩れてしまいます。
2.果物の摂取量を増やす
カリウム豊富な果物を摂取することにより血液中の余分なナトリウムを排出させるはたらきをします。
果物も食べ過ぎるとカリウムが多くなりすぎてしまいますので気をつけましょう。
ナトリウムとカリウムは1:1が良いとされています。
3.にがり液を活用する
にがりとは、海水から塩を摂ったあとの溶液です。
にがりの主成分は塩化マグネシウムです。
マグネシウムはわたしたちの体内の酵素を活性化し、糖質、脂質、たんぱく質を分解してエネルギーに変換するのに必要です。
また血液の循環、血圧や体温の調節、筋肉の収縮弛緩、神経の興奮鎮静、ホルモンの分泌などに深く関係し、重要な役割をしています。
にがりを摂ることでナトリウムの過剰摂取を緩和し、体内のミネラルバランスをくずさないようにすることができます。
塩の選び方はこちらの記事を参考にしてください。
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まとめ
塩は単なる調味料だと思っている方は多いようです。
塩は悪者ではなく私たちの身体に必要不可欠なものだったのです。問題なのは精製された純度の高いナトリウムの食塩が問題だったのです。
良い塩を摂取して、無理な減塩で塩不足にならないように注意しましょう。
参考書籍
「日本人には塩が足りない」 / 著者 村上譲顕
「減塩」が病気をつくる / 著者 石原結實
「水と塩を変えると病気にならない」 / 著者 新谷弘実
この記事を書いた人
サイト管理人 高橋
父親の再発防止に取り組んでおります。父親の再発防止に取り組むことで、最近は自分の健康も見直していており、とても調子が良いです。
父親が脳梗塞を発症したことをきっかけに、健康・病気に関する本を多数読み、日々の生活習慣がここまで大きく影響するのに衝撃を受けました。またネットで誤った情報もよくある事も分かりました。信頼のおける書籍を何冊も読み、実際の体験も参考に真実と正しい情報の提供を心がけています。