脳梗塞の再発防止に本人、家族が出来ること

血液さらり

脳梗塞体験談集

父親が脳梗塞になって早めの処置で後遺症も無かった

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あれは忘れもしません。当時20代前半だった私はまだ独身で実家暮らし。職場へも実家から通勤していました。
両親も元気で朝・夕の食事は専業主婦の母が用意してくれるため私は毎日何の心配事も悩み事もなく過ごしていました。

その日の夜も仕事から帰って夕飯とお風呂を済ませ自室で本を読みながらくつろいでいました。

すると階下から突然母が私を呼ぶのです。「お父さんが…!」その声の大きさと緊張感とが混ざり合った呼び声に咄嗟にただならぬ様子を感じ取りました。

父親の顔が半分麻痺、救急車を呼ぶ

転げ落ちるように階段を降り父の寝室へ行くと夕飯時とは全く別人の父の顔がありました。
ベッドに横たわり目だけが動いてこちらを見ています。何か話したそうですが言葉が出てきません。

何が起きたのかわかりませんでしたが、顔の半分が引きつり麻痺しているのが見てとれました。どうしたのかを母に尋ねると、眠りにつこうとしたとき、唸り声が聞こえたので見てみるとすでに父はこんな状態だったとのこと。すぐに母に救急車の手配を頼みました。

父は横になったまま動く方の左手で右手を頭まで持ち上げると左手をはなしました。すると右手はすとんとベッドへ落ちます。麻痺しているため力が入らないのだと思いました。過去に何度か知人でそのような症状の人をたまたま見たことがあり、恐らく脳だと直感で思いました。救急車が来るまで必死で父の手足をさすっていました。

病院へ到着し、先生に症状を説明し処置が始まりました

通報から到着まで30分弱。とてつもなく長い時間に感じました。

病院の廊下で待つ間とにかく母と二人で祈っていました。二人とも気が動転していてよく覚えていませんが、しばらくして処置をしていただいた先生から脳梗塞を起こしていたとの説明がありました。

今は点滴で詰まりかけた血液をサラサラに流そうとしていることなどお話をされるのですが頭に入りません。後遺症が残るのか、どのような状態なのか、色んなことが一気に押し寄せてきて冷静にならなくてはと必死で平静を保とうとしましたが恐らく私も母も詳しいことはほとんど聞こえていなかったように思います。

どれくらい時間が経ったでしょうか。点滴が終わり父と対面すると病院のベッドに横になった父がニヤリと笑い「ビックリしたな」とはっきり話しました。その笑顔と普段と変わらない話し方に安心し何だか力が抜けヘナヘナと母と二人で病院の床に座り込んでしまいました。

後遺症もほとんど残らずに済んだようでした

先生の説明によると脳の中心に近いところのある程度太い血管が約数センチ詰まりかけていたが細い血管がそれを補うためにきちんと流れてくれていたこと。そして何より脳梗塞の症状が出てからすぐに救急車を呼び早い段階で病院へ搬送されたため、完全に詰まることもなく後遺症も残らずに済んだとのことでした。

その後約三週間の入院で父は後遺症が残ることもなく退院することができ、あれから10年経った今でも元気に毎日働いています。

もし家族全員があのまま眠りについていたら…と考えるとゾッとします。
父の場合は前もって兆候があったわけではありませんが、とにかく何か少しでもいつもと違うなと感じたり、症状に気づいたらすぐに病院へ行くことが何より大切だと痛感しています。

どうぞ様々な体験談を通して大切な家族や周囲の人への脳梗塞の対応に何かしらお役に立てればと思います。

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