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脳梗塞の手の麻痺・足の麻痺に自分でできるリハビリ

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脳梗塞の麻痺の特徴を知り、それにあったリハビリをしよう!

脳梗塞の麻痺の自主トレには、麻痺の特徴を知ることが必要

私は作業療法士として、これまでたくさんの脳梗塞を発症された患者さんのリハビリに関わってきました。その中で、麻痺の程度が同じでも「自主トレを継続している患者さんは回復が良い」ということを多く経験しました。人間の身体機能は使わなければ衰えていきます。自主トレは麻痺の回復だけでなく機能の衰えを防ぐ意味でも大事だと思います。

 

脳梗塞の麻痺は他の病気とは違う特徴があり、なかでも筋肉の緊張に注意が必要です。脳梗塞の麻痺では無理な運動で筋肉の緊張が高まりやすく、誤った自主トレでかえって筋肉や関節が硬くなるなど状態が悪くなってしまうことがあります。

今回の記事では、脳梗塞の麻痺の特徴とそれに基づく具体的なリハビリメニューを説明します。ご自身でリハビリを行う際の参考になると思いますので、どうぞ最後まで読んでいただけたらと思います。

脳梗塞の麻痺の3つの特徴

ここでは脳梗塞の麻痺の特徴を3つあげたいと思います。

  1. 筋肉の緊張のコントロールが難しくなる
  2. 感覚の障害から運動が行いにくくなる
  3. 回復に長い時間がかかる

それぞれについて詳しく説明していきます。

 

① 筋肉の緊張のコントロールが難しくなる

筋肉の緊張とは簡単に言うと「筋肉の張り」の程度のことです。

筋肉をゴムに例えると、ゴムを引っ張るとピンと張った状態になります。逆に引っ張る力を抜くと緩んだ状態になります。筋肉もそのように張り具合が変化します。

人間の身体は普段は自動的に筋肉の緊張が調整されています。しかし脳梗塞で麻痺があると筋肉の緊張を調節するのが難しくなり、筋肉が柔らかく力が入りにくくなったり、逆に力が抜けにくく筋肉や関節が硬くなったりします。

自分でリハビリを行う際は、筋肉の緊張が低い方は筋緊張を高めていく運動や脱臼への注意が必要です。筋肉の緊張が高い方は、硬くなりやすい筋肉を伸ばすためのストレッチや筋肉の緊張を高めすぎないように無理をしない運動が効果的です。

 

② 感覚の障害から運動が行いにくくなる

脳梗塞の麻痺では感覚の障害(痺れる、触れた感じや温度が分かりにくい)がある方が多くいます。はっきりとした感覚障害はなくても「動かしている感じが鈍い」という方も多いです。それも軽度の感覚障害が原因の場合があります。

感覚障害があると、運動が行いにくくなります。感覚は運動にとって大切な役割を果たしているからです。

触っているものの柔らかさや重さが分からないと、適切な力加減がわからず力が入り過ぎてしまいます。足の裏の感覚が鈍くなると、地面の凸凹や傾斜をとらえにくく歩きがぎこちなくなります。

感覚を刺激すると言っても無理に強い刺激を与える必要はありません。通常のリハビリ内容でも「感覚を意識して運動を行う」だけで良いのです。感覚を意識するための自主トレ方法を後ほど具体的にご紹介します。

 

③ 回復に年単位の長い時間がかかる

脳梗塞後のリハビリは長いマラソンのようなものです。

年単位でゆっくりと回復する方も少なくありません。

それでもリハビリを継続できている方は後から大きな差が出てきます。

自分のペースでリハビリを続けることが、継続するコツです。

 

自分でできる手や足の麻痺のリハビリメニュー

ここでは自分でできるリハビリメニューをご紹介していきます。

骨折や脱臼など整形的疾患のある方、痛みが強い方は主治医に相談をしてから行ってください。また普段運動をしていない方は特に無理をせず、痛みの出ない範囲で行ってください。

 

① 運動前後のストレッチ

脳梗塞の麻痺では筋肉がこわばりやすい状態になっています。運動前後のストレッチで筋肉や関節の状態を整えましょう。写真では左側が麻痺しているという想定にしております。

 

腕のストレッチ

両手を組んで肘を伸ばします。

 

手のストレッチ

麻痺のない方の手で麻痺している手の指を伸ばします。

 

足のストレッチ

椅子などにつかまって、アキレス腱を伸ばします。

 

② 手のリハビリメニュー

手の細かい動作の練習です。

写真はおはじき、洗濯バサミを使った例です。

おはじきを何個もつまむのが難しい場合は1つずつでも大丈夫です。

おはじきや洗濯バサミの硬さや温度などに意識を向けると、感覚の刺激にもなります。

他にもボタンやスポンジなど、自宅にあるいろいろな物品を使ってみましょう。

ツルツル、ザラザラなど素材の感覚の違いを意識してみてください。

 

③ 足のリハビリメニュー

麻痺している足(写真では左を想定)に体重をのせて、支える力をつける練習です。

体重をかけると膝がガクっと崩れる方は行わないでください。

足の裏に感覚の刺激をするため、裸足で行うようにしましょう。

立って行うトレーニングが難しい方は座って行いましょう。

足の裏でボールを転がし、感覚を刺激します。

リハビリを継続するコツ

脳梗塞の麻痺の回復には長い時間がかかります。

数ヶ月、中には数年経って少しずつ動きが出てくる方もいます。

動きにくいからと麻痺した手足を動かさなくなると、関節が硬くなったり筋力が低下したり、全身の動きに影響が出てきます。現在の体の機能を保つことも大切です。

ここではリハビリを継続するコツを2つお伝えしたいと思います。

 

① 生活のリズムの中にリハビリを組み込む

毎日決まった時間にリハビリを行うようにすると、生活の中で定着しやすくなります。例えば朝食前、昼の休憩時間に、夜ご飯を食べたあとなど。毎日の食事と同じように習慣化してしまえば、自然にリハビリに取り組めるようになります。

ご自分の行いやすい時間が一番だと思いますが、寝ている間に体がこわばるという方も多くいますので、起床後にリハビリすると1日の動きがスムーズになるのでオススメです。

 

② 定期的に効果を確認する

効果を確認できずに同じことを続けるのは、人間どうしても飽きが来てしまいます。

回復の効果を確認できれば、リハビリへの意欲を保ちやすくなります。もし外来や訪問リハを利用している方でしたら、定期的にセラピストに評価してもらうことが有効でしょう。

専門家のリハビリを受けていない方でも自分で効果を確認できる方法があります。

同じ課題をするのにかかる時間を測ると変化が見えやすくなります。例えば「洗濯バサミを10個はさみ終えるまで」など課題に必要な時間を測るといったことです。

同じ課題を1つ決めて、時々時間を測って変化をみてみましょう。

動きの動画を撮るのも客観的に見比べることができるのでオススメです。

歩きの動画を家族にとってもらい見比べるといった方法で、リハビリの効果を確認しやすくなります。動画を見ることで、自分では気づかなかった変化に気づくかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたか?

今回の記事では、脳梗塞の麻痺の特徴のご説明とそれに基づく具体的なリハビリメニューをご紹介してきました。お一人お一人麻痺や身体の状態が違いますので、無理のない程度に取り入れてもらえたらと思います。今回の記事がご自宅で行うリハビリの参考になれば幸いです。

 

mocoss ( 作業療法士 )

2007年に作業療法士免許取得。その後救急病院、リハビリテーション専門病院、行政(介護予防事業)での勤務を経て、在宅の高齢者や障害者への訪問リハビリテーションに従事する。

特に脳卒中患者の在宅復帰を多く支援してきた。ボランティアとして、片麻痺患者がセラピストの教育に携わるためのNPO法人に所属している。

趣味は旅行。

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