3年前、私の父が脳梗塞を患いました。60歳でした。
当時は自営業主として大きな会社の下請けとして、父も現場に出てバリバリ働いておりました。
仕事場で様子がおかしい
ある日の朝、いつも父と同じ現場で働いている従業員の方から母に電話がかかってきまして、「親父(父のこと)の様子がさっきからおかしい。」と言っていたそうです。
何がおかしいのか聞いてみると、いつものように朝、現場のロッカールームに着き、私服から作業着に着替えたまでは良かったのですが、着替え終えた自分の私服を、自分のロッカーに入れるところを、その電話をくれた従業員のロッカーに入れたんだそうです。「そこ俺のロッカーだよ?」と言っても父は「あぁそうか。」と生返事をして現場へ行こうとする。これを2回ほど繰り返したそうです。そしてまたもその後、父は自分のヘルメットを被らず、現場の監督さんのヘルメットを被りました。「親父、それ○○さんのヘルメットだよ!」と言っても先程と同様、生返事をして現場へどんどん行ってしまったと。
なんだかおかしい。居合わせた他の従業員たちもみんなおかしいって言ってる。病院へ行こうか?どんどん現場へ行っちゃうんだけど…という電話だったそうで、電話口の母は「すぐに病院連れてって!」と、言ったそうです。
そしてすぐに従業員は父を車で病院に連れていってくれました
現場は家から離れていて、従業員の方もあまりその土地を知らなかったのですが、以前現場で脳卒中で倒れてしまった方が居て、近くに脳梗塞や脳卒中等を専門としている病院があり、お見舞いに行ったことのある父と従業員でしたので、その病院に向かうことになりました。
向かっている最中の車の中でも、父が「ここだろ」と言うところが大きな郵便局で、「これは郵便局でしょ」と言っても、「ここの2階に病院あるから」と、郵便局の駐車場で停車してもなお、言っていたそうで、もう従業員は父の言葉を無視して病院まで運転してくれました。
病院に着いてすぐに診察をして脳梗塞がわかりました
脳梗塞との診断結果でそのまますぐに安静のための入院になりました。点滴をしていたと思います。私と母は後で病院に行き医師から説明を受けました。脳の、脳梗塞になってしまった大体の位置はわかるが、もっと鮮明に位置を知るためだったと思いますが、とにかく何かの検査をするための同意書を書いたのを覚えています。
大きな後遺症はありませんでした
起き上がり、歩けるようになった時には、本当に幸い、運動機能に後遺症が無かったんです。他にも特に大きな後遺症はありませんでしたのでみんなで喜んでいました。壊死した位置にもよりますが、父は前頭葉の右寄りらへんだったと思います。大きさも、他の方の結果を知らないので比べられませんが、小さめだったかもしれません。ただ、帰宅してから気づきましたが、すぐに泣くようになりました。孫が学校で金賞を取ったとか、テレビで歌を見ただけとか、ほんの少しの感動で突然号泣して、数秒でもとに戻ります。あとは蛇口の閉め忘れはしょっちゅうです。それと返答が2~10テンポ遅くなりました。
あとはテンカンを発症してしまいました。脳梗塞になる前は一度もないことです。突然痙攣するというのを2度起こしたので、今は脳梗塞のための薬とテンカンの薬を飲んでいます。それでも父は父ですので、私は今まで通り普通に関わり過ごしています。
しかしバリバリ働いていた父とはまるで違いますので、母はやはり辛かったり、悲しかったりイライラしたりしている時もあります。