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脳梗塞の再発予防

脳梗塞を予防する食べ物、飲み物を紹介

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脳梗塞を予防するために、毎日の食事に気をつけているが、もっと積極的に良いものをとり入れたいと思っている方は多いでしょう。
脳梗塞を予防するための食事の基本は、エネルギーや脂肪を摂りすぎないで、肥満や糖尿病、脂質異常症を改善することと、塩分を控えてカリウムをしっかり摂って、高血圧を改善することです。
この基本に加えて、動脈硬化や血栓を予防する栄養成分を含む食べ物や飲み物を、意識してとり入れることも大切です。

そこで、今回は、脳梗塞を予防するためにおすすめしたい食べ物と飲み物をご紹介します。
毎日の食事づくりやメニュー決めにお役立て下さい。

 

脳梗塞を予防する食べ物

青魚(いわし、さんま、あじ、さばなど)

 

いわしやさんまなど背の青い魚には、「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」という不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。脂肪というと悪者のイメージがありますが、不飽和脂肪酸は、動脈硬化や高血圧を予防する効果があるため、脳梗塞予防のために、積極的にとりたい脂肪です。

ただし、鮮度が落ちると酸化しやすく、効果が落ちてしまうため、できるだけ新鮮な魚を選ぶようにしましょう。1日1食は、主菜を魚料理にするのが理想的です。

 

緑黄色野菜(人参、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、トマトなど)

 

緑黄色野菜とは、緑色や黄色、オレンジ色など、切っても中身まで色が濃く、「β-カロテン」が豊富な野菜を指します。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変わり、皮膚や目の健康を保つ働きをします。
さらに、有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用があり、動脈硬化の原因となるLDL(悪玉)コレステロールの酸化を防ぎ、血栓を予防します。
緑黄色野菜には、ビタミンC、ビタミンAなどのビタミン類や、カリウム、食物繊維、抗がん作用のあるファイトケミカル類なども含まれていて、高血圧予防やがん予防などにも役立ちます。

野菜を食べる量は1日350g以上が望ましいですが、そのうち1/3以上(120g~160g程度)は緑黄色野菜を食べるようにしましょう。

[緑黄色野菜の目安量]

人参 中サイズ1/2本(100g)
小松菜 1/2把(150g~200g)
ほうれん草 1/2把(150~200g)
ブロッコリー 3房(100g)
トマト 1/2個(100g)

 

玉ねぎ

 

玉ねぎなどのねぎ類に含まれる「硫化アリル」は、血液をサラサラにする作用があり、血栓ができるのを防ぎます。
「ケルセチン」という抗酸化作用のあるポリフェノール類も豊富で、活性酸素を除去して、動脈硬化の予防に効果的です。脂質類の吸収をさまたげ、体の外へ出す働きが、肥満解消にも役立ちます。

硫化アリルは、水に溶けやすい性質があるため、生で食べる場合は、水にさらさず、15分ほど置いてから食べるようにしましょう。加熱する場合は、スープやみそ汁など、汁ごと食べられる調理法がおすすめです。

 

海藻類(こんぶ、ヒジキ、青のり、わかめなど)

 

海藻類は、低カロリーで「食物繊維」がたっぷり摂れるヘルシーな食材です。
こんぶやわかめなどのネバネバとしたぬめり成分は、「アルギン酸」という食物繊維で、コレステロールや糖質が腸内で吸収されるのを防いで、コレステロールや血糖値が上昇するのを抑えたり、余分なコレステロールや中性脂肪を排出したりする作用があります。これらの作用により、脳梗塞のリスクとなる脂質異常症や糖尿病の予防に役立ちます。
さらに、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄などのミネラル類も宝庫なので、毎日の食事で不足しがちな栄養素を効率的に補えます。

 

くだもの類(ベリー類、かんきつ類など)

くだもの類は、「ビタミンC」、「ポリフェノール類」、「カリウム」、「食物繊維」が豊富です。
ビタミンCとポリフェノール類は、抗酸化作用によって動脈硬化を予防し、「カリウム」は、体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排出する作用によって高血圧を予防します。食物繊維のペクチンは、糖分やコレステロールの吸収を抑える作用によって、糖尿病や脂質異常症の予防に役立ちます。

『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017』の中でも、“果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性があり、糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが薦められる”とされています。
糖質含有量の少ない果物は、いちごやブルーベリーなどのベリー類、グレープフルーツやみかんなどのかんきつ類、キウイ、ぶどう、ももなどがあります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoron/24/1/24_24.003/_pdf/-char/ja
出典:『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017における食事療法』P21

 

大豆、大豆製品(豆腐、豆乳など)

 

大豆や大豆製品には、良質なタンパク質をはじめ、脂質、炭水化物、ビタミンB1、ビタミンE、葉酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など、さまざまな栄養素が含まれていますが、コレステロールは全く含んでいません。
大豆に豊富な「マグネシウム」は、筋肉と血管の収縮を防いで、血圧を下げたり、血液が凝固しすぎないようにして、血栓ができるのを防ぎます。

厚生労働省研究班の調査によると、大豆を多く食べている女性は、心筋梗塞や脳梗塞になりにくいということがわかりました。とくに女性は大豆や大豆製品を積極的に食べるように心がけましょう。

https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/308.html
出典:「イソフラボンと脳梗塞・心筋梗塞発症との関連について」

 

未精製穀類(玄米、胚芽米、雑穀米、全粒粉パンなど)

 

主食は、ごはんなら、玄米、分つき米(胚芽米)、雑穀米などを、パンなら全粒粉パンにすれば、「食物繊維」が多くとれるので、健康維持に役立ちます。
これらの未精製穀類には、「植物性ステロール」が含まれています。植物性ステロールは、コレステロールと同じ脂質の一種ですが、人の消化管からほとんど吸収されないうえに、食事でとったコレステロールの吸収を抑えて、血中のコレステロールを下げる作用があるため、脂質異常症の改善につながります。

 

酢(米酢、黒酢、穀物酢など)

 

お酢のすっぱい成分である「クエン酸」や「酢酸」には、血小板が必要以上に集まるのを防ぎ、血液をサラサラにする効果があります。さらに、血管を広げて血圧を下げたり、血中コレステロールを低下させたりする働きがあり、高血圧や脂質異常症を改善し、脳梗塞を予防します。

 

脳梗塞を予防する飲み物

水か白湯

脳梗塞を予防する飲み物がただの水?!と思われるかもしれませんが、毎日の水分補給には水や白湯(一度沸かして冷ました水)が最適です。
体内の水分が不足すると血液がかたまりやすくなり、脳梗塞を起こすリスクが高まるため、脳梗塞の予防には適切な水分補給が欠かせません。
とくに水分不足になりやすい寝る前や起床直後、入浴する前後、運動や外出の前後などのタイミングで、コップ1杯程度の水を飲むようにしましょう。

1日のうちで、1~2.5リットルの水分が必要ですが、汗をかいたときや気温の高い時期は多めに摂るようにします。
お茶やコーヒーには利尿作用のあるカフェインが含まれているため、尿の量が増えてしまい効率が悪くなります。また、ジュースは糖質が多いため、水分補給のための飲み物としては避けましょう。

 

コーヒー

コーヒーにはカフェインがあるため、水分補給には向かないと前述しましたが、脳出血や脳梗塞のリスクを下げるという研究結果が多数報告されています。
1日3~4杯程度のコーヒーを飲むことが、もっともリスクを低下させるとされています。今のところ、コーヒーのどの成分が脳梗塞の予防に効果があるのかは、まだはっきりわかっていませんが、カフェインやポリフェノール、ビタミンCなどが有効ではないかといわれています。
コーヒーには、リラックス効果もあるため、ストレスが溜まった時など、香り高いコーヒーを楽しんでリフレッシュしましょう。

 

緑茶

緑茶にも、コーヒーと同じように脳梗塞のリスクが低下するという研究結果があります。緑茶を1日5杯以上飲む人は、1日1杯未満の人に比べて男性は42%、女性は65%もリスクが低下したと報告されています。(東北大大学院医学系研究科栗山進一講師らの調査より)
緑茶に含まれる「カテキン」はポリフェノールの一種で、抗酸化作用や抗炎症作用などがあり、血管を保護したり、血栓を予防したりする作用があるためと考えられています。

 

少量のアルコール

お酒の飲みすぎは脳梗塞のリスクを高めますが、適量を守れば、動脈硬化の予防や血栓ができるのを防ぐ効果があり、脳梗塞の予防に役立ちます。
ふだん飲まない人があえて飲む必要はありませんが、お酒を楽しみたい方は、適量を守って飲むようにしましょう。

[1日のアルコール適量の目安](女性は下記の半量程度)

ビール 中瓶1本500ml ロング缶1本(500ml)
日本酒 1合(180ml)
ウィスキー ダブル1杯(60ml)
ワイン グラス2杯弱(1杯120ml)
焼酎 コップ1/2杯(25度・100ml)

主婦と生活社「詳しくわかる脳梗塞の治療と安心生活」P154より参照

 

まとめ

脳梗塞を予防するためにおすすめしたい食べ物と飲み物をご紹介しましたが、いかがでしたか?

  • 脳梗塞を予防する食べ物は、『青魚・緑黄色野菜・玉ねぎ・海藻類・果物・大豆・未精製穀類・酢』
  • 脳梗塞を予防する飲み物は、『水か白湯・コーヒー・緑茶・少量のアルコール』

ご自身の食生活を振り返ってみて、不足しているものがあれば、ぜひ、毎日の食事で積極的に摂りいれてみて下さいね。

 

参考書籍

自由国民社「身近な人が脳梗塞・脳出血になったときの介護と対策」鈩裕和監修

参考URL

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyou-shippei/yobou-nou-socchu-shokuji.html
健康長寿ネット「脳血管疾患(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)予防のための食事とは」

https://www.kewpie.co.jp/defe/sterol/index.html
キューピー「植物性ステロールとは」

http://www.tamanoi.co.jp/health/health.html
タマノイ酢「お酢と健康」

https://www.nestle.co.jp/asset-library/documents/nhw/interview9.pdf
ネスレ日本「コーヒーと脳血管障害」

http://www.ooigawachaen.co.jp/blog/2017/03/07/381
緑茶は1日何杯まで!?緑茶の健康効果と適正量のお話

 

この記事を書いた人 山田 由紀子 ( 管理栄養士 )

給食会社と病院に勤務したのち、結婚出産を経てフリーランスに転向。
病院や保健センターで、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年代の方への栄養指導・食事相談を行う。
現在は、栄養関連記事の執筆、栄養監修、食生活アドバイスなどを在宅で行っている。

 

 

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