納豆の薬味は必需品と言っても良いでしょう。
納豆の効用はとても素晴らしいのですが、薬味によりいろいろな味わいを楽しめるということもありますが、それ以外に健康効果をさらに高めてくれたり、納豆の持っている力を2倍にも3倍にも生かしてくれたりしてくれるのです。
納豆は万能の食品でありますが、唯一欠点をあげるとすれば、納豆にはビタミンCとビタミンAが含まれないことです。それを薬味で補うことができます。
ネギ
ネギは硫化アリルという成分が含まれています。味としても納豆によく合うのですが、血栓が出来るのを抑え、血液をサラサラにする効果があるのです。硫化アリルは冷凍すると失われます。
また乾燥しても失われますので乾燥しないようにして早めに使うのが良いですね。
ネギは栄養価もとても高いです。
ねぎのアリシン、ビタミンB1がプラスされ、糖質のエネルギー化を促進し疲労回復力を高めてくれます。アリシンはビタミンB1、B2の吸収を促進してくれます。
その他の成分で、ビタミンC、βカロテン、カルシウム、ネギオールがあります。抗酸化作用があり余計な活性酸素を抑えるはたらきがあります。
関東では主流は白ネギです。関西ではワケギやアサツキが主流のようです。
ワケギはネギとタマネギの雑種です。似たような名前で「ワケネギ」があります。間違えやすいですが、ワケネギはネギの一種です。
ワケギは、ネギ独特の辛味が少なく甘みがあります。
アサツキは実際にはネギとは違う独立した種類だそうです。辛みが強いのが特徴です。
しょうが
古くから漢方でも使われており、新陳代謝を促し、体を温め、冷え症、胃腸を整える、などに効果があるとされています。
殺菌作用や胃液の分泌促進の働きがあるともいわれています。
身体を温める効果はとても認知されていますね。ショウガ湯なんかも有名です。身体を温めてくれる成分は辛味成分である「ジンゲロール」と「ショウガオール」です。
この辛味成分は唾液の分泌の促進する作用もあり消化吸収を助けてくれます。
納豆に入れて食べると納豆の匂いをやわらげ食べやすくしてくれます。
しそ
しそは栄養価の高い食材です。
納豆にはないビタミンA、ビタミンCが含まれています。各種ビタミン、ミネラルも豊富に含まれています。
βカロテンの量はトップクラスです。人参よりもはるかに多いです。
βカロテンは体内でビタミンAに変換されて作用します。
有害な活性酸素から身体を守り動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病から守る働きや、ある種のがんのリスクを低減することも示されています。皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きもあります。
しその強い香りの成分は「ペリルアルデヒド」です。強い抗菌作用があります。刺身にシソがよく入っているのはこのためですね。胃酸の分泌を促進し、消化を助け食欲を増進する作用もあります。
ごま
納豆にすりごまをかけるととても美味しいです。ごまの香ばしい香りが納豆とよく合います。
さらに砂糖を少しかけるコクが出て粘りがとても強くなり、美味しいそうです。
昔は盛んにこの食べ方で食べられていたようです。今でも北海道、東北地方では食べられているようです。
ごまの成分の約半分は脂質です。ごまの脂質は、リノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸です。免疫力を高めたり、血中コレステロールの上昇を抑える働きがあります。
タンパク質も多く必須アミノ酸を豊富に含みます。
食物繊維、鉄分・カルシウム、ビタミン類も豊富で、とても栄養価が高いです。
ゴマの成分でセサミンが話題になり有名ですね。
セサミンはゴマリグナンという栄養素の一つです。他にセサミノール・セサモリンという成分があり、高い抗酸化作用があります。肝機能を改善し、コレステロールを減少、脂質代謝の促進など多くの効果が研究で明らかになっています。
そのまよりもすりごまが良いです。
すりごまのほうが、栄養を吸収しやすいのです。すりごまを買うかすり鉢でするかミルでするかですね。家ではミルですっています。手軽でおすすめです。
黒ゴマがおすすめです。黒ゴマのほうが抗酸化作用が強いです。納豆も抗酸化作用が強いのでとても強い抗酸化作用を得られますね。
鰹節
イノシン酸という旨味成分が含まれており、20種類に及ぶアミノ酸がさらに鰹節の旨味を引き出しています。納豆中に含まれている旨味成分のグルタミン酸と鰹節の旨味成分が交ざり合うことでさらにコクのある旨味になります。
旨味成分であるイノシン酸は美味しさだけでなく、健康効果もとても高いです。細胞が活性化され、新陳代謝が促されます。
鰹節由来ペプチドが高血圧の予防に効果があるといわれています。またペプチドが疲労の原因となる乳酸を分解する酵素を分解する酵素を増やしてくれるので疲労回復効果があります。
ペプチドには水素イオンを除去するはたらきがあり、脳内の神経伝達も良くしてくれ集中力、記憶力アップの効果があります。
その他にも、骨を丈夫にしたり、血液の流れを良くしたり、免疫力を高めたり、アンチエイジング効果があったりと様々な健康効果が期待できます。
梅干し
梅干しも古くから伝わる伝統食です。昔は疲れた時や食欲のない時によく食べられていました。
納豆の臭みを消し酸っぱさが爽やかな風味を与えてくれます。
この梅干しの酸っぱさのもとはクエン酸を中心としたリンゴ酸、酒石酸などの有機酸です。疲労物質の生産を抑え、疲労回復を助けてくれます。肝臓のはたらきを良くするピクリン酸も含まれていて、二日酔いや乗り物酔いにも効果的です。
梅干しに含まれるクエン酸が血液どろどろの原因である酸性を中和させ血液をサラサラにしてくれます。梅干しは酸っぱいので酸性と思われがちですがアルカリ性です。
ポリフェノールの一種の「梅リグナン」が血圧の上昇を抑え動脈硬化を抑制するはたらきがあります。抗酸化作用もあります。
梅干しと納豆にはさらに、かつおぶしを入れたり、醤油を入れてよく食べられています。
海苔
海苔は細長くハサミなどで切ってたっぷりかけて食べます。
納豆に唯一ない栄養素のビタミンCを海苔は非常に豊富に含んでいます。
納豆のアミノ酸と一緒にとるので海苔のカルシウムの吸収率がアップします。
味だけでなく健康効果も納豆と非常に食べ合わせが良いといえますね。
ご飯とも相性が良くて、ブドウ糖をエネルギーに変換するときに必要不可欠なビタミンB1が納豆と海苔の両方に豊富に含まれています。
納豆まきやお寿司の納豆の軍艦なんていい組み合わせですね。
海苔には葉酸がとても多く含まれています。葉酸は納豆にも多く含まれています。それと海苔にはビタミンB12もとても多く含まれています。これらには血液と関係が深く、赤血球の中のヘモグロビンの合成を助けます。
葉酸は記憶力の機能に欠かせない栄養素のひとつです。脳内の血行をよくする作用もあり、記憶力を助ける要因になっているといわれています。
ビタミンB12には脳の神経細胞のはたらきを良くし、記憶力と集中力の向上に作用するはたらきがあります。
らっきょう
きざめば、とても美味しい薬味になります。
らっきょうのツーンとくる辛味成分は硫化アリルで血液の浄化作用や、血液凝固作用を遅らせ血液をサラサラにし心臓を丈夫にする作用があります。
らっきょうは平安時代に漢方薬用に中国から伝わりました。江戸時代以降になって食用として食べられるようになったそうです。
平安時代の最古の医学書「医心方」にはらっきょうは「身を軽くして老化を防ぐ」「長らく食すると心霊に通じるようになる」などと不思議なパワーをもった食材だと紹介されています。
らっきょうは食物繊維が非常に豊富で、野菜の中でもトップクラスです。
らっきょうの食物繊維はという水溶性の食物繊維がほとんどです。9割以上です。便をやわらかくしてくれるので便秘の解消にはとても良いです。
納豆にないビタミンCも豊富に含まれています。
らっきょうの食物繊維はほとんどが水溶性なので甘酢漬けだと水に溶けだしてしまいますので、甘酢漬けより生のほうが良いです。
>> らっきょうの食べ合わせなど食べた感想、アレンジレシピなど紹介
山芋(とろろいも)
すり下ろした「とろろ」と一緒に食べると相性が非常に良く納豆の粘りをやわらげ、味わい深くなります。
山芋は漢方では強壮薬として使われています。
山芋の主成分はでんぷんです。ビタミンB1、ビタミンC、カリウム、食物繊維などを含み栄養価が高い食材です。
山芋のぬめり成分には、ジアスターゼ、マンニット、コリン、アルギニン、アミノ酸、サポニンなど糖質分解酵素や解毒作用のある成分が含まれています。
ジアスターゼやアミラーゼなど消化酵素が豊富で胃の調子をよくするはたらきがあります。
コリンはビタミンB1の吸収を助け高血圧、動脈硬化を防ぐはたらきがあります。
大根おろし
大根おろしは昔から胃の妙薬とされてきました。
大根おろしには納豆には含まれないビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは血液の酸化を防ぎ血液をサラサラにするはたらきがあります。
大根おろしには、でんぷん分解酵素のアミラーゼ、タンパク質分解酵素のプロテアーゼ、脂肪分解酵素のリパーゼなど、様々な消化酵素が豊富に含まれています。
納豆にも消化酵素が含まれていますので、一緒に食べると消化能力がより高くなります。
辛味のもとであるメチルメルカプタンやイソチオシアナートはがんを抑制するといわれています。
たまねぎ
栄養素は少量のビタミン、カルシウム、カリウムが含まれる程度です。しかし、硫化アリルが主役ですごいはたらきをしてくれます。
ネギ類に共通して含まれる硫化アリルが血液をサラサラにするはたらきがあります。硫化アリルは血液の凝固を抑制し血液をサラサラにする作用があります。
また血栓を溶かす効果も確認されています。血中脂肪の燃焼、抗菌作用、血糖値を下げるはたらきもあります。
ビタミンB1の吸収を高めます。納豆にはビタミンB1が豊富に含まれていますのでその吸収を高めますので相性がいいですね。能の回転をよくしたり、疲労回復やイライラ解消に効果的です。
さらにビタミンB1の豊富な海苔、かつおぶし、ごまを入れればさらに良いですね。
生で食べる場合、10分~15分ほど空気中にさらすと成分が増えます。
ワサビ
寿司の「納豆まき」や「納豆の軍艦」をワサビと醤油をつけて食べたことがある人は多いと思います。よく合いますよね。とても美味しくワサビと醤油、納豆は味を見ても相性が良いですね。
納豆にないビタミンCが豊富に含まれて、納豆の不足の部分を補ってくれます。
辛味の成分はシニグリンという成分です。すりおろすと細胞が壊れ酵素のミロシナーゼのはたらきでアリルイソチオシアネートへ変化し強い抗酸化作用を示します。
ワサビには殺菌防腐の作用があります。胃腸をやさしく刺激して食欲を増進したり消化を良くするはたらきがあります。血行を良くするはたらきもあります。
キムチ
納豆とキムチを一緒にとると乳酸菌の体内での増殖能力が高くなることが分かっています。
味わいも非常に美味しく、納豆の独特の匂いが消え、納豆が苦手な人もとても食べやすいです。
キムチは納豆と同じように発酵食品になります。生菌が生きた状態で食べる数少ない食品です。
キムチが発酵熟成するにつれ乳酸菌が増加します。この乳酸菌は有害な菌を抑制したり死滅させ腸を整える作用があります。
キムチにはニンニク、ネギ、ニラ、生姜、唐辛子などが使われていますので、それらも健康効果がとても高いので、とても健康に良い食品です。
キムチはスーパーやコンビニなどどこでも売っていますが、甘みが強いキムチが多いですね。甘みが少ないキムチが健康にも良いです。
参考書籍
「納豆パワーの底力+αの食べ合わせで効果てきめん」/監修 中澤勇二/青春出版社
「食べるくすりの事典-台所は家庭の薬箱」/著者 鈴木 昶/東京堂出版
「あなたに必要な栄養成分と食べ物」/著者 則岡 孝子/東京堂出版
「納豆万歳」/著者 永山 久夫/一二三書房
この記事を書いた人
サイト管理人 高橋
父親の再発防止に取り組んでおります。父親の再発防止に取り組むことで、最近は自分の健康も見直していており、とても調子が良いです。
父親が脳梗塞を発症したことをきっかけに、健康・病気に関する本を多数読み、日々の生活習慣がここまで大きく影響するのに衝撃を受けました。またネットで誤った情報もよくある事も分かりました。信頼のおける書籍を何冊も読み、実際の体験も参考に真実と正しい情報の提供を心がけています。