納豆と生卵の食べ合わせが悪いと言われる記事をネット上で見かけます。
しかし、徹底的に調べてみるとどうも大げさに言い過ぎのようです。その理由を詳しく解説していきます。
納豆の血栓融解酵素ナットウキナーゼが有名ですが、卵の白身には納豆が持つナットウキナーゼの働きを強くする成分があることが分かっています。組み合わせ良はいと思います。
順を追って詳しく説明しますが、結論から言うと、生卵の卵白にふくまれるアビジンは気にする必要なしということです。
納豆のビオチンの吸収を阻害するからダメというのは言い過ぎで、ビオチンはいろいろな食材に含まれていて不足することは普通はないのです。
納豆に含まれるビオチンといわれるビタミンB群の一種があります。ビオチンは、糖質や脂質の代謝を助けエネルギーに変えるはたらきをし、皮膚や粘膜の維持、髪の毛の健康に深く関わっているビタミンです。
卵白のアビジンが納豆のビオチンの吸収を阻害する
この卵白に含まれるアビジンが納豆に含まれるビオチンと結合し、納豆のビオチンが吸収されえるのを阻害してしまうということです。
このことが「納豆と生卵の食べ合わせが悪い」という意見です。唯一この事が食べ合わせが悪いと言われることがある理由です。
ちなみに黄身だけならアビジンが含まれていません。
黄身にもビオチンが含まれている
納豆と同じく黄身にもビオチンが含まれています。
生の白身と生の黄身を混ぜると、黄身のビオチンと白身のアビジンが結合し黄身のビオチンの吸収を阻害してしまいます。
しかし、卵をつかった多くの料理が黄身と白身を混ぜて使いますよね。卵焼き、オムレツ、オムライス、スクランブルエッグ、野菜と卵の炒め物、プリン、ホットケーキとかなんでもそうですが、多くの場合混ぜますよね。
黄身と白身の食べ合わせが悪いと言っているのと同じことを言っているわけです。
そうなると卵を使った料理のほとんどが食べ合わせ悪いということになってしまうわけです。
そうだとしたら料理も工夫して半熟状にしてから混ぜ合わせるとか、黄身は生で、白身は加熱してとか。面倒ですよね。だいたいそんな話題になりません。なぜなら、そんなに気にする必要もないからです。
生卵1個や2個ぐらいでビオチンが体内で不足することはない
ビオチンは多くの食材に含まれているので普通に食事をしていれば不足することはありません。種実類、豆類、レバー、魚、卵黄などに多く含まれています。
それに、ビオチンは体内で腸内細菌によって合成されつくることができるのです。
心配する必要はありません。欠乏症が現れることはほとんど無いのです。
生卵を多量に摂った場合はビオチン欠乏症を起こすこともある
生卵を1度に10個食べたり、毎日10個ずつ生卵を食べ続けるとビオチンの吸収が阻害され皮膚炎や疲労感などが起こることもあるといわれています。
こんなにたくさん生卵を食べる人もいないと思います。卵かけご飯食べ放題なんていうサービスをやっている飲食店がありましたが、大食いの人で10杯ぐらい食べる可能性はありますね。
常識的に考えて、普通に生卵をそんな多量に食べるということは無いですよね。
卵は栄養豊富
卵は完全食品といわれるぐらい栄養バランスの優れた食材です。食物繊維とビタミンCが含まれていない以外は人間に必要な栄養素ビタミン、ミネラル、タンパク質のほとんどが含まれています。
特に必須アミノ酸がバランスよく含まれており良質なタンパク源とよくいわれております。
加熱しない生卵の一番のメリットとしましてはビタミンの吸収率です。特にビタミンB群の栄養を多く摂ることができます。
卵のコレステロールは気にする必要がない
卵はコレステロールが多く気にする人もいますが、1個や2個程度では問題がなく、コレステロールは人間にとって欠かせない栄養素です。細胞の細胞膜をつくったり、細胞膜の機能を維持したり、ホルモンや胆汁酸の原料になったりいろいろな役割をしています。
しかもコレステロールは7~8割が体内でつくられており、食事からは吸収されるのは2~3割程度といわれています。コレステロールが多く摂取されると体内でのコレステロールの生産が減り、コントロールしているそうです。
それに卵には体内のコレステロール量のコントロールに働く成分もあります。
参考書籍
「これは効く!食べて治す 栄養成分事典」 /監修 中嶋 洋子, 蒲原 聖可/主婦の友社
「かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学」/監修 新出真理 /ナツメ社
「食材の基本がわかる図解事典」/監修 五明 紀春/成美堂出版
この記事を書いた人
サイト管理人 高橋
父親の再発防止に取り組んでおります。父親の再発防止に取り組むことで、最近は自分の健康も見直していており、とても調子が良いです。
父親が脳梗塞を発症したことをきっかけに、健康・病気に関する本を多数読み、日々の生活習慣がここまで大きく影響するのに衝撃を受けました。またネットで誤った情報もよくある事も分かりました。信頼のおける書籍を何冊も読み、実際の体験も参考に真実と正しい情報の提供を心がけています。