私の父がリハビリ病院で自動車運転外来の許可を得るまで
私の父の場合、1度目の脳梗塞の時は言葉のフレーズが違っていたり、出てこなかったりして、それと、少し右手に麻痺がありましたが、入院し点滴治療のみで回復し、その後はそれらの症状もなくなり普段と変わらない状態になりほぼ後遺症なしで、特に問題なく運転出来ましたし、医者からも何も言われませんでした。
しかし、再発し、今度は視野が狭くなる視野狭窄と記憶障害、右半身の麻痺が出ました。リハビリ病院に転院しリハビリを行っていました。かなり回復して、視野狭窄も緩和され、左側が見えなかったのですが、私生活で支障がないぐらいまで回復しました。
退院時に主治医の先生とお話しをしたのですが、自動車の運転は許可出来ないとのことでした。それと運転の許可を得るための運転のためのリハビリも諦めたほうが良いとのことでした。今の状況では通ってもかなり厳しいし、年齢(68)も含め総合的に考えて運転は諦めたほうが良いと言われました。しかし、本人が食い下がりどうしても運転したいことを訴え、今は無理だけど、どう回復していくか分からないじゃないかなどと言い出し周囲を困らせておりました。
私もその場にいたのですが個人的にも先生の意見に賛成でしたが、、先生が席を外し、リハビリの担当の理学療法士さんとかとお話ししてきたようで、本人の希望が強いので、ダメ元でやってみましょうか?と。運転のリハビリを許可してくれました。
それを聞いて本人もすごく喜んでいたようです。私もまあいろいろ頭を使うから良いリハビリにもなるし、やってもいいかなと思いました。リハビリやってダメなら本人も諦めがつくと思いました。
父が入院していたリハビリ病院で自動車運転外来がありますのでそのまま退院後に通うことになりました。
神経心理学的検査をし、その検査結果が基準を満たせば、ドライビングシュミレーターで練習して基準を満たせば、実際に自動車を運転してみて評価します。それが通れば運転を許可するという診断書がもらえるのです。その診断書がないと免許の更新が出来ないのです。
リハビリ病院での自動車運転外来
視野狭窄のほうは運転が問題ないレベルまで回復し、身体のほうも自由に動くようになりましたが、記憶のほうが問題です。
身体機能評価は基準を満たせましたが、神経心理学的検査のほうの評価が悪く、1度目のリハビリの時に担当の先生から、一時記憶と判断力の部分の評価がかなり悪いと。それでも退院時の評価よりも少し上がってはいると言われました。
リハビリ病院退院後もまだ回復していくこともよくあるみたいなので、どこまで回復するか分かりませんでした。父の場合は海馬が一部壊死しているので、もう新しい記憶が出来なくなる可能性が高いようなことを言われたことからすると劇的な回復ぶりですので、今後も想定外に回復することもないとは言えないと思いました。
その後3度目ぐらいだったと思いますが、神経心理学的検査の評価が悪くこれ以上リハビリを続けても可能性がほぼないと言われました。ちなみにとても熱心な先生でしたので、本当にそうだと思いました。それから仕事をしてるのでいろいろな刺激があり、ある程度はまだ回復してくる可能性があるので、リハビリに通うのは終わりにして、3ケ月おきに評価をしてみることをすすめられました。
仕事も家族でやってる小さい会社ですが父が社長で、仕事もだいぶ復帰しておりました。記憶力も以前ほどではありませんが、私生活で支障ないぐらいに回復しており、運転も出来るんじゃないかと私自身も思ってきました。しかし、運転に必要とされる能力とは違うということだと思います。
その後4回目ですが、私は行けませんでしたので母が運転しリハビリ病院へ行きました。しかし、帰って話を聞くと終わりにしてもらったと。3ケ月に一度評価するということが理解良くわからなかったのでしょう。説明してもうまく理解してくれません。リハビリ病院にそんな権限がないとか言い出しますし。
しかもその後、運転してしまいました。すぐ近くの数分のところに会社の倉庫があるのですが、そこまで運転してしまいました。免許があると言い張ります。もう50年近くも運転してきてるので出来てしまうものですね。しかし駄目ですね。
その後はちょくちょく運転してしまっております。母親が言うには問題なく運転できてると。しかし規則は守らないといけないと思いますが、言うことを聞いてくれません。警察に相談しようとも思いましたが、結局そのままですが。
免許更新が近いので、その時にどうなるかですね。さすがに免許が無くなれば乗らないでしょう。
記憶障害があると運転はなぜ危険か
明らかに運転出来ない状態だったら本人も周りも当然運転出来ないという自覚があります。しかし、問題なのは私生活に問題ないレベルの記憶障害です。運転していたころの記憶が戻り、操作も分かる、道も分かる、交通ルールも分かるというと本人は運転出来るという自信が出てきます。医者に運転は許可しないと言われても運転してしまう人が多いのではないかと思います。
本人に許可を得ず車を売ってしまった人もいるそうです。乗らないつもりでも車があると少しぐらいはいいだろうという気持ちが出てくると思ったからでしょうね。
予期せぬ事態や事故があったときにどうなるか分からないという点が一番危険だと思います。私の父の場合は寸前の一時記憶力がとても弱いそうです。例えば、一時停止で左右確認するわけですが、左を見て、歩行者が来てると認識します。次に右を見て、右は大丈夫そうだなと認識しますが、左で確認したことを忘れる可能性が高いのです。
それと事故を起こしてしまった場合の対処がちゃんと出来るかどうかまでは分かりません。人身事故を起こしてしまった場合ちゃんと救急車を呼んだりできるのかどうか。
自動車の運転はいつから可能か
基本的には医師から運転を許可しないと言われなければ、本人やご家族の判断で退院後運転することが出来ます。
警視庁の情報サイトによりますとそれぞれの都道府県公安委員会が判断するといことですので一概にいつからとも言えませんので、相談してみると良いと思います。
医師の許可が無いと運転してはいけない
道路交通法では「医師は、一定の病気等に該当する免許を保有する方が診察を受けた場合、診察結果を任意で公安委員会に届出することができます。」とされており、実際、父のリハビリ病院での主治医からも「公安に届けているので許可がないと運転はしてはいけません」と言われました。
この免許の更新時までは法的な拘束は無く、医師から運転してはいけないと言われて運転したとしても見つかったところで現在のところ罰則があるわけでもないのですが、事故を起こした場合は、道路交通法の「過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」に抵触する可能性が高いです。該当する場合は免許取り消しになってしまいますし、3年以下の懲役または50万円以下の罰金もありますので、乗るべきではないと思います。
免許更新には医師の診断書が必要
脳梗塞を起こした場合、免許の更新時には道路交通法により質問票に回答しなければならなりません。この際に臨時適性検査を受けたり、医者の診断書が必要な場合があります。父の場合は必要になるはずです。自動車運転外来も行かなくなってしまいましたし、診断書をもらえる状態ではありませんので、免許の更新ができないでしょう。
また免許の更新が来たら、追記したいと思います。
追記(免許の更新案内が来た)
免許の更新の時期がついに来ました。結果から言いますと、なんと運転免許の更新が出来てしまいました。。。
まず免許更新の時は70歳で、高齢者講習の案内が来ました。それに行ったわけですが、どうせ免許の更新出来ないのに行っても無駄だと思ったのですが、本人は免許の更新が出来るものだと思い込んで行ってきたのです。とても優秀だと言われたと喜んでおりました。まあどうせ免許の更新なんて出来るはずが無いので勝手に喜ばせておけばいいやと思いました。
そして免許の更新の案内が届きました。え、案内来るの?と私は思いましたが、本人は普通に更新出来ると思っていました。
そして免許の更新で、普通に免許の更新が出来てしまいました。
質問票に虚偽があったのは間違い無いです。どうなるのでしょう。
こちらが実際の質問票です。
- 過去5年以内において、病気(病気の治療に伴症状を含みます。)を原因として、又は原因は明らかでないが、意識を失ったことがある。
- 過去5年以内において、病気を原因として、身体の全部又は一部が、一時的に思い通りに動かせなくなったことがある。
- 病気を理由として、医師から、運転免許の取得又は運転を控えるよう助言を受けている。
3つの質問事項に当てはまり、本来、「はい」を選択しなければいけないのです。
虚偽の記載を提出した場合は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されると記載されております。
話を聞くと、すべて「いいえ」にチェックしたみたいです。運転には自信があり、何か言われたらいかんと、そのようにしたようです。。ありえませんね。
運転技術は本人が言うには高齢者講習で周りの60代の方たちよりも優秀であったようですが、実際にそうだったのかもしれませんが、規則ですので、医師の診断を提出してから公安委員会の判断をしてもらうという手順で運転の許可をもらわなければなりません。
本人は運転の自信があり、仕事に復帰してからびっくりするぐらい回復しておりまして、日々の食事も良い効果があったのかもしれませんが、一番は仕事の復帰ですね。海馬が壊死し、もう新しい記憶が出来なくなると言われてから、ここまで回復するとは誰も思ってもみませんでした。今の状態でリハビリ病院で運転に関する評価がどうなのかを診断してもらいたいのですが。本人が私がいくら説明しても聞いてくれません。
それぞれの都道府県公安委員会が判断するとのことですので、住む地域によって違いがあると思いますので相談することをお勧めします。医師の診断を参考に総合的に判断をすると思いますので、医師の診断ではダメでも私生活で運転が必要不可欠であるなどの事情など総合的に判断して運転の許可してくれる場合もあるようですし。
追記 免許更新から1年後
現在でも普通に車を運転しています。道もかなり覚えております。長距離の運転はやめたほうが良いと何度も言っていますので、それは聞き入れてくれております。
おそらくリハビリ病院で運転の許可をもらえるのではないかと思いますので、ぜひ次回の更新時は虚偽の申請をせず、正規のやり方でやってもらいたいと思います。
追記 病院から呼び出し
ひょんなことから脳梗塞の時に入院していたリハビリ病院に入院することになりました。
父親が肩の筋が切れて手術をしました。その病院が脳梗塞の時に入院していたリハビリ病院です。そしてリハビリの為に1カ月程入院することになりました。
そして、運転が発覚しました!
脳梗塞の時に担当していた看護師の方と会いました。
そしてこんな会話に。
看護師「そういえば運転のほうのリハビリって途中で辞めましたよね。今運転はどうしてますか?」
父「運転してるよ」
看護師「え!病院の許可出してませんよね」
という具合で、当時の主治医に連絡が行き、家族が呼び出されました。
そして面談になりました。
面談では、虚偽の申告により免許を更新しているので、たとえ運転の技術が問題なくても手続きに問題があると言われました。
公安のほうに行くように言われました。おそらく「運転を許可する医師の診断をもらって来てください」と言われるでしょう。と言われました。
もし事故したら保険料が支払われないこともあるそうです。
父親もやっと納得して、運転は許可が出るまでしないそうです。
また追記します。
この記事を書いた人
サイト管理人 高橋
父親の再発防止に取り組んでおります。父親の再発防止に取り組むことで、最近は自分の健康も見直していており、とても調子が良いです。
父親が脳梗塞を発症したことをきっかけに、健康・病気に関する本を多数読み、日々の生活習慣がここまで大きく影響するのに衝撃を受けました。またネットで誤った情報もよくある事も分かりました。信頼のおける書籍を何冊も読み、実際の体験も参考に真実と正しい情報の提供を心がけています。